貨物自動車運送事業法関係

事業者の行うべき業務か、運行管理者が行うべき業務か間違えない。あとは数字を覚える

事故の報告:国交大臣に報告を要する事故

・自動車の転覆事故。「運転席側を下にして横転した状態」は転覆にあたる

10人以上の負傷者を出した事故

入院を要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上

10台以上の自動車の衝突または接触事故

高速自動車国道において、3時間以上自動車の通行を禁止させた事故

過労運転の防止

事業者は、事業用自動車の運転者を常時選任しておかなければならず、この場合、選任する運転者は日雇い、2ヶ月以内の有期雇用者又は試用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く)であってはならない。

運転者が一の運行における最初の勤務を開始してから最後の勤務を終了するまでの時間は144時間未満

アルコールの検出は絶対禁止(基準値は0)

特別積合せ貨物運送を行う事業者は、当該特別積合せ貨物運送に係る運行系統であって、始点から終点までの距離が100kmを超えるごとに、所定の事項について事業用自動車の乗務に関する基準を定め、かつ当該基準の遵守について、乗務員に対する適切な指導及び監督を行わなければならない。

運転者の遵守事項

運転者は、乗務を開始しようとするとき、乗務前及び乗務後の点呼いずれも対面で行うことのできない乗務の途中及び乗務を終了したときは、法令に規定する点呼を受け、事業者に所定の事項について報告すること。

法令の定めにより運行指示書の作成を要する運行の途中において、運行の経路並びに主な経過地における発車及び到着の日時に変更が生じた場合に、運転者は携行している運行指示書に当該変更の内容を記録すること。

運転者は、事業用自動車に乗車したときは、(1)乗務した事業用自動車の登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示、(2)乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離等所定の事項を「常務等の記録」に記録すること(運行記録計に記録する場合を除く)

業務を開始するときは、当該事業用自動車の制動装置、走行装置その他の重要な装置の機能について点検しなければならない。

運行記録の保管

事業者は、運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には、直ちに当該運転者に係る法令に基づき作成した運転者台帳に、運転者でなくなった年月日及び理由を記載し、これを3年間保管しなければならない。

事業者は、法令の規定により点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示したときは、運転者ごとに点呼を行った旨、報告、確認及び指示の内容並びに法令で定める所定の事項を記録し、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

事業者は、法令の規定により運行指示書を作成したときは、当該運行指示書及びその写しを、運行の終了の日から1年間保存しなければならない。

事業者は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、事故の発生日時等所定の事項を記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において2年間保存しなければならない。

道路運送車両法

所有者と

自動車の登録等

登録自動車の所有者は、当該自動車の使用者が道路運送車両法の規定により自動車の使用の停止を命ぜられ、自動車検査証を返納したときは、遅滞なく、当該自動車登録番号標及び封印を取り外し、自動車登録番号標について国土交通大臣の領置を受けなければならない。

自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号の表示は、国土交通省令で定めるところにより、自動車登録番号標を自動車の前面及び後面の見やすい位置に取り付けることによって行うものとする。

自動車の所有者は、当該自動車の使用の本拠の位置に変更があったときは、道路運送車両法で定める場合を除き、その事由があった日から15日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。

道路運送車両法に規定する自動車の種別は、自動車の大きさ及び構造並びに原動機の種類及び総排気量又は定格出力を基準として定められ、その別は、普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車である。

自動車の検査等

国土交通大臣の行う自動車(検査対象外軽自動車及び小型特殊自動車を除く)の検査は、新規検査、継続検査、臨時検査、構造等変更検査及び予備検査の5種類である。

自動車検査証の有効期間の起算日については、自動車検査証の有効期間が満了する日の1か月前(離島に使用の本拠の位置を有する自動車を除く)から当該期間が満了する日までの間に継続検査を行い、当該自動車検査証に有効期間を記入する場合は、当該自動車検査証の有効期間が満了する日の翌日とする。

自動車運送事業の用に供する自動車は、自動車検査証を当該自動車に備え付けなければ、運行の用に供してはならない。

自動車検査証の有効期間は、貨物の運送の用に供する自動車であって検査対象軽自動車以外のものは1年、その他の自動車は2年とされる。ただし、この自動車検査証の有効期間を1年とされる自動車のうち総重量8トン未満の貨物の運送の用に供する自動車については、当該自動車検査証の有効期間は2年である。

自動車の整備命令等

地方運輸局長は、自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるとき(道路運送車両法第54条の2第1項に規定するときを除く)は、当該自動車の使用者に対し、保安基準に適合しなくなるおそれをなくすため、又は保安基準に適合させるために必要な整備を行うべきことを命ずることができる。この場合において、地方運輸局長は、保安基準に適合しない状態にある当該自動車の使用者に対し、当該自動車が保安基準に適合するに至るまでの間の運行に関し、当該自動車の使用の方法又は経路の制限その他の保安上又は公害防止その他の環境保全上必要な指示をすることができる。

保安基準及び細目告示

火薬類(省令に定める数量以下のものを除く)を運送する自動車、指定数量以上の高圧ガス(可燃性ガス及び酸素に限る。)を運送する自動車及び危険物の規制に関する政令に掲げる指定数量以上の危険物を運送する自動車には、消火器を備えなければならない(被牽引自動車を除く)。

自動車に備え付けなければならない後写鏡は、取付部付近の自動車の最外側より突出している部分の最下部が地上1.8m以下のものは、当該部分が歩行者等に接触した場合に衝撃を緩衝できる構造でなければならない。

自動車の後面には、夜間にその後方150mの距離から走行用前照灯で照射した場合にその反射光を照射位置から確認できる赤色の後部反射器を備えなければならない。

自動車は、告示で定める方法により測定した場合において、長さ(セミトレーラーにあっては、連結装置中心から当該セミトレーラーの後端までの水平距離)12m、幅2.5m、高さ3.8mを超えてはならない。

道路交通法関係

車両通行帯等

車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて1番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によって指定された車両を除く)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となっているときは、当該道路)に3以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。

一般乗合旅客自動車運送事業者による路線定期運行の用に供する自動車(以下「路線バス」という)の優先通行帯であることが道路標識等により表示されている通行帯が設けられている道路においては、自動車(路線バスを除く)は、路線バス等が後方から接近してきた場合には、その正常な運行に支障を及ぼさないように、速やかに当該車両通行帯の外に出なければならない

トロリーバスを除く車両は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車は道路の左側に寄って、当該道路を通行しなければならない。ただし、追越をするとき、法令の規定により道路の中央もしくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときはこの限りではない。

車両は、道路の中央から左の部分の幅員が6mに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(道路の中央から右の部分を見通すことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く)は、法令の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。

追越し等

車両は、トンネル内の車両通行帯が設けられている道路の部分(道路標識等により追越しが禁止されているものを除く)においては、他の車両を追い越すことができる。

車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下「前車」)の右側を通行しなければならない。ただし、前車が法令の規定により右折するため道路の中央又は右側端に寄って通行しているときは、その左側を通行しなければならない。

車両は、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しようとして徐行している車両等に追いついたときは、その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切ってはならない。

車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない

停車及び駐車等

車両は、道路の側端又は道路の曲がりかどから5m以内の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、または駐車してはならない。

車両は、法令の規定により駐車しようとする場合には、当該車両の右側の道路上に3.5m(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の距離がなければ駐車してはならない。

車両は、踏切の前後の側端からそれぞれ前後に10m以内の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。

交通整理の行われている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点に入った場合においては当該交差点内で停止することとなり、よって交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入ってはならない

運転者及び使用者の義務等

自動車の使用者等が法令の規定に違反し、当該違反により自動車の運転者が道路交通法第66条(過労運転等の禁止)に掲げる行為をした場合において、自動車の使用者がその者の業務に関し自動車を使用することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、当該違反に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する都道府県公安委員会は、当該自動車の使用者に対し、6か月を超えない範囲内で期間を定めて、当該違反に係る自動車を運転してはならない旨を命ずることができる。

自動車を運転する場合においては、当該自動車が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれも行うことができないものに限る)を通話(傷病者の救護等のため当該自動車の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く)のために使用してはならない。

車両等の運転者は、当該車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときはすみやかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講じなければならない

自動車の運転者は、故障その他の理由により高速自動車国道等の本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下、「本線車道等」という)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなったときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。

運転者が違反した場合等の措置

車両等の運転者が道路交通法若しくは同法に基づく命令の規定又は同法の規定に基づく処分に違反した場合において、当該違反が当該違反に係る車両等の使用者の業務に関してなされたものであると認めるときは、都道府県公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、当該車両等の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者であるときは当該事業者及び当該事業者を監督する行政庁に対し、当該車両等の使用者がこれらの事業者以外の者であるときは当該車両等の使用者に対し、当該違反の内容を通知するものとする。

労働基準法関係

労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(法第14条(契約期間等)第1項各号のいずれかに該当する労働契約にあっては5年)を超える期間について締結してはならない。

労働者は、労働契約の締結に際し使用者から明示された賃金、労働時間その他の労働条件が事実と相違する場合においては、即時に当該労働契約を解除することができる。

法第106条に基づき使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、時間外労働・休日労働に関する協定等を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

法第106条に基づき使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、時間外労働・休日労働に関する協定等を、常時各作業員の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

就業規則

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、始業及び就業の時刻、休憩時間、休日、休暇等法令に定める事項について就業規則を作成し、行政官庁に届けなければならない。

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。

使用者は、就業規則の作成または変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織される労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織される労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かねばならない

就業規則は、法令又は当該事業所について適用される労働協約に反してはならない。また、行政官庁は、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる

拘束時間及び休息期間

「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」等に定める貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間については、1日(始業時刻から起算して24時間をいう。以下同じ)についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、1日についての拘束時間の限度(最大拘束時間)は16時間とすること。この場合において、1日についての拘束時間が15時間を超える回数は、1週間について2回以内とすること。

業務の必要上、勤務の終了後継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間、一定期間における全勤務回数の2分の1を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過後に分割して与えることができるものとする。この場合において、分割された休息期間は、1日において1回あたり継続4時間以上、合計10時間以上でなければならない。

改善基準及び特例通達

休息時間とは、勤務と次の勤務との間にあって、休息時間の直前の拘束時間における疲労の回復を図るとともに、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、その処分は労働者の全く自由な判断にゆだねられる時間をいう。

労使当事者は、時間外労働協定において貨物自動車運送事業に従事する自動車の運転者(以下、「トラック運転者」という。)に係る一定期間についての延長時間について協定するに当たっては、当該一定期間は、2週間及び1ヶ月以上3ヵ月以内の一定の期間とする。

トラック運転者が勤務の中途においてフェリーに乗船する場合における拘束時間及び休息時間は、フェリー乗船時間(乗船時刻から下船時刻まで)については、原則として、休息期間として取り扱うものとし、この休息期間とされた時間を改善基準第4条の規定及び特例通達により与えられるべき休息期間の時間から減ずることができるものとする。ただし、その場合においても、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの間の時間の2分の1を下回ってはならない。

使用者は、トラック運転者の休息期間については、当該トラック運転者の住所地における休息期間がそれ以外の場所における休息期間より長くなるように努めるものとする。

拘束時間

貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の1ヵ月の拘束時間は、原則として1ヵ月について293時間を超えないこととする。ただし、労使協定があるときは、1年のうち6ヵ月までは、1年間についての拘束時間が3,516時間を超えない範囲において、320時間まで延長することができる。

拘束時間及び運転時間等

1日の最大拘束時間は16時間が限度

1日についての拘束時間が15時間を超える日数は1週間に2回が上限

運転時間2日を平均して1日当たり9時間を超えてはならない

運転時間2週間を平均して1週間当たり44時間を超えてはならない

休日出勤については、2週間について1回を超えてはならない

実務上の知識及び能力

運転者台帳の記載事項は厳格に規定されている。履歴書を当該台帳に充てるのは不適

運行管理者は、事業者が定めた勤務時間及び乗務時間の範囲内で、運転者が過労とならないよう十分考慮しながら、天候や道路状況などを勘案しつつ乗務割を作成し、事前に運転者に示す。

運行管理者は、異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、事業者及び運行管理者は乗務員に対する適切な指示を行い、報告を受けた事項や指示した内容については、異常気象時の措置として詳細に記録する

運行指示書の作成を要する運行の途中において、その運行の開始及び終了の地点及び日時、または運行の経路に変更が生じた場合は、事業者は運行指示書の写しに当該変更の内容を記載するとともに、運転者が携行している運行指示書にその運転者をして当該変更の内容を記載させなければならない。

体内に入ったアルコールが分解処理されるのにかかる時間は、ビール500ml(アルコール5%)では概ね4時間

他の自動車に追従して走行するときに、常に「秒」の意識をもって留意しなければならないのは自車の速度と停止距離である。事業者及び運行管理者は、運転者に対して前車との追突等の危険が発生した場合でも安全に停止できるよう、少なくとも停止距離と同じ距離の車間距離を保って運転するよう指導する必要がある。

空走距離とは、危機を認知してからブレーキが利き始めるまでの距離であり、制動距離とはブレーキを踏んでから停止するまでの走行距離である。そして停止距離とは、運転者が危険を認知してから車が停止するまでに走行した距離であり、空走距離と制動距離の和で求められる。

平成28年中の事業用貨物自動車が第一当事者となった人身事故の類型別発生状況をみると、「追突」が全体の約半分を占めており、最多となっている。
この事実を踏まえ、運転者に対しては日頃より、適正な車間距離の確保や前方への注意を怠らないよう指導する必要がある。

平成28年における交通事故統計によれば、人口10万人当たり死者数については65歳以上の高齢者層は、全年齢層の約2倍となっており、高齢者が事故により死亡するリスクが特に高いので、運行する際に、歩道や路肩に高齢歩行者を発見したときは、その動静に注意を払って運転を行うよう、運転者に指導する必要がある。

安全衛生規則第51条によると、事業者は、労働者が受診した健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければならない。この健康診断には、法令で定めるものに加え、労働者自らが受診したものも含まれる。

事業者や運行管理者は、点呼等の際に運転者の意識や言葉に異常な症状があり、普段と様子が違うときには、すぐに専門医療機関で受診させるべきである。
また、運転者に対しては、脳血管疾患の症状について理解させ、そうした症状があった際にはすぐに申告させるよう努めるべきである。

深夜業に従事する者に対しては、6ヵ月以内毎に1回以上、定められた健康診断を行わなければならない(国土交通省「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」より)

脳血管疾患は、定期健診で発見するのは困難であり、発見には専門医療機関による受診などが必要となる。

四輪車を運転する場合、二輪車に対しては
①死角に入りやすく、その存在に気付きにくいこと
②二輪車の速度が実際よりも遅く感じること
を特に注意しなければならない。

運転席が高い位置にある大型車の場合、乗用車から見るよりも前方の車両との車間距離に余裕があるように感じる。

衝突軽減ブレーキは、たとえ装置が正常に作動していても、走行時の周囲の環境によっては障害物を正しく認識できなかったり衝突を回避できないことがあるため、同装置への過信は禁物である。

適性診断の目的は、「運転者が、自分の運転の傾向や事故を起こす危険性を客観的に知ることで、安全な運転を目指すよう自覚を促すこと」である。

ドライブレコーダーは、事故時の映像だけでなく運転者のブレーキ操作やハンドル操作などの運転状況を記録し、解析することにより運転のクセ等を読み取ることができるものであり、運行管理者が行う運行管理者が行う運転者の安全運転の指導に活用されている。

平成28年中の自動車乗車中死者の状況をみると、シートベルト非着用時の致死率は、着用時の致死率の10倍以上となっている。他方、自動車乗車中死者のシートベルト非着用者の割合は、全体の約40%を占めていることから、シートベルトの確実な着用は死亡事故防止の有効な手段となっている。

交通事故の多くは、見かけ上運転者の運転操作ミスや交通違反等の人的要因によって発生しているが、その背景には、運転操作を誤ったり、交通違反せざるを得なかったりすることに繋がる背景要因が少なくない。従って、事業用自動車による事故防止を着実に推進するためには、事故の背景にある運行管理その他の要因を総合的に調査・分析することが重要である。