週刊実話 2019年02月16日 06時00分

世界的な自動車離れと韓国経済

世界的な自動車業界の不振

自動車メーカーの業績が世界的に下落している。世界3位の自動車メーカー、米GM(ゼネラル・モーターズ)は2月6日、2018年の営業利益前年比7.8%減118億ドル(約13,000億円)だったと発表した。独ダイムラー社も昨年の純利益前年比28%減76億ユーロ(約9,500億円)だったと同日に発表。トヨタは年度決算ながら、2018年度の純利益昨年度比25%減の1兆8700億円(試算)となる見込みを発表している。

韓国自動車業界の動向

韓国最大手『現代自動車』の減益

また韓国も自動車不況の軛から逃れられなかったようだ。1月24日発表された現代自動車の業績は、売上高こそ97兆2520億ウォン(約9兆5310億円)と前年の96兆3760億ウォンに対して0.9%増えたものの、営業利益は2兆4220億ウォン(約2375億円)と前年の4兆5750億ウォンに対して47%減と6年連続の減益となっている。

現代自動車

売上こそ伸びているが…

現代自動車といえば、サムスン電子に次ぐ韓国第二位の企業であり、2017年の時点でヒュンダイ単独での世界販売台数は年間450万台とホンダと同規模を誇る。またグループでの販売台数は817万台となりGMグループを抜いて世界第4位である。その現代自動車の営業利益は他社に比べ遥かに落ち込む結果となった。

“ルノーからの警告”ルノーサムスン自動車

また、強硬なストで知られるルノーサムスン自動車もまた、同社の株式のうち79.9%を保有するフランス・ルノーグループのロス・モザス製造総括副会長が社内向けの動画メッセージで「ルノーサムスンの労組がストを続けるなら、今後の製造台数の割り当てについて議論するのは難しい」と警告した。

韓国の世界における自動車競争力の落ち込み

韓国自動車製造業の最大手である現代自動車の不振だけでなく、経営破綻したサムスン自動車を吸収したルノーサムスン自動車、同じく経営破綻した大宇自動車を買収した韓国GMも昨年、群山工場を閉鎖するなど(これに伴い4月には暴動が起きている)落ち込んでいる。

「昨年の韓国の自動車生産量は、インドに抜かれ6位に下がった15年以来、2年ぶりにメキシコにも抜かれ7位に転落しています。韓国GMの群山工場閉鎖が響いており、激しさを増す労使対立や高コスト・低効率の生産構造も韓国の生産競争力を下げる要因になっています。韓国の外貨準備高は、今の水準で十分とはいえず、韓国人にとって『外貨』といえば思い出すのが1997年の通貨危機でしょう。国際通貨基金(IMF)に救済金融を申し込まなければならなかったほどに追い詰められましたからね」(国際経済アナリスト)

今年に入ってから韓国メディアは、自国の経済について悲観的な配信が散見するようになった(韓経:ウォン・ドル相場1000ウォン崩壊するか韓国経済 4カ月連続「景気鈍化」=政府系機関ほか)。

中でも『中央日報』には、韓国元副首相「2019年は各自図生の年…通貨危機のような苦痛も」と悲観的な論説が掲載された。

また、日本に歩み寄る姿勢を見せる動きもある。

韓国が経済危機に陥っても日本は支援すべきではない

1997年の通貨危機の際、実際に助けたのは日本なのだが、韓国はいつものことながら、これを曲解し逆恨みしているのである。

「韓国は昨年9月末までの国債償還に必要なドルが不足する事態ですが、IMFはもう韓国にはドルを貸しません。日本は13年に日韓通貨スワップ協定満期終了ですから韓国が頼るのは中国ですが、中国も米中貿易摩擦で韓国に構っている暇はありません」(国際ジャーナリスト)

だが、もしまた韓国が経済危機に陥っても、今度こそ日本は支援すべきではない。先の通貨危機の時にのように、手を差し伸べたところで逆恨みされるのがオチだ。

元高官のS氏は「そんなことだと思っていた。日本は一度も韓国が絶対に必要な時、望む時に助けてくれたことがない。むしろ最初にお金を抜き出し不意打ちを食らわせた」と話した。

【時視各角】韓日通貨スワップは政治だ

この記事の締めくくりのとおり、日本は「大変だね」と傍観するくらいでいい